性科学文書館
19世紀末から20世紀初頭の世紀転換期にベルリンは性科学に関する研究協会や「性科学研究所 (Institut für Sexualwissenschaft)」とともに発展しました。1919年にマグヌス・ヒルシュフェルトによって開設された「性科学研究所」は、近代的セクシュアリティ研究とリベラルなセクシュアル・ポリティクスのための国際的中心地として名を馳せました。この比類ない性のインフラストラクチャーは1933年のナチス政権掌握とともに破壊されてしまいました。
「性科学研究所」は、1933年5月3日に収奪・閉鎖されました。諸々の性科学的団体は解散させられ、セクソロジストたちの大部分が亡命せざるを得ませんでした。性科学研究所付属図書館の蔵書や特別収集品は散逸してしまいました。これらのものの行方は今日でもほとんどわかっていません。多くのものは破壊されてしまいましたが、しかしまた多くのものも、他の図書館や個人収集家に委譲されたり、亡命の際に友人に託されたり、かつての同僚に遺贈されたりして、生き延びました。
ベルリン・フンボルト大学ドイツ文学研究科に設置された研究所「性科学文書館」は、ベルリンの文化的遺産である性科学の記憶を呼び覚まし、様々な図書館・文書館・特別収集室との共同作業でこの遺産を再収集したいと考えています。この目的のために、フンボルト大学中央図書館(ヘッベルレ=ヒルシュフェルト文書館)、ベルリンのマグヌス・ヒルシュフェルト協会、ドイツ連邦マグヌス・ヒルシュフェルト財団、領域横断的ジェンダー研究所(ZtG)の協力を得て現在作業を進めています。さらなる協賛団体も歓迎いたします。
「性科学文書館」は、2015年5月14日のマグヌス・ヒルシュフェルト逝去80周年に向けて、フンボルト大学に一つの文化学研究所を設立することを目指しています。それは、ベルリンの性科学研究の伝統を性研究(ジェンダー・スタディーズ)や批判的異性愛規範研究(クィア・スタディーズ)という意味で再検討し再生させる研究所となるでしょう。
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所長: Andreas Kraß教授(Dr.) 研究職員:Andreas Pretzel(M.A.) 学生職員:: Janin Afken |
Humboldt-Universität zu Berlin Philosophische Fakultät II Institut für deutsche Literatur Dorotheenstraße 24 10117 Berlin Raum 3.427 Tel. +49 - 30 - 2093-9660 |
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